70年代ライフスタイルのこと
先日、古民家の片づけをお手伝いしているときに、1975年発刊「主婦の友社 生活百科事典」が出てきまして、オーナーさんに了解いただいてもらってきました。
マイホームが少しずつ一般的になってくる時代、教科書みたいな感じでつくられた本のようです。
ただ、事例として載っている住宅は宮脇檀さんや、高田秀三さんなどの建築家が設計したものばかりなので、当時のポピュラーな家というよりは、ちょっと憧れのような感じかなと思います。
個人的に、70年代の住宅、インテリアはポップでかわいいデザインが多いから好きなのですが、読んでいると結構おもしろくて。
ライフスタイルの変遷が見て取れます。
タルト不動産でも、70年代の中古住宅や集合住宅をよく紹介していますが、間取りが現代の暮らしに合わないケースはよくあります。
この百科事典で僕が気になったのは、キッチンが「台所室」としてダイニングやリビングと分かれているプランが多いこと。広めの住宅では、ほとんど分かれています。
なぜなのか読んでみると、家事に集中したい、料理の匂いを他の部屋に広げたくないという理由。なるほど。。
きっと今よりも、料理にかける時間は長かっただろうし、換気もうまくできていなかったんだと思います。
そこから核家族化が進んで、家はだんだんコンパクトになり、キッチン・ダイニング・リビングは、ワンルームになっていきます。同時に排気、換気設備の機能も向上していきます。
暮らし方も変わっていて、共働きで忙しいから家族で一緒に過ごす時間を大事にしたり、料理をしながら子供を見ていないといけなかったり。ワンルームになっていったのは必然か偶然か。。
今はまた生活の仕方が多様化しているから、その家族に合った住まいが個別に求められている気がします。
その個別を考えるのが、楽しいんですよね。
みやけ