レポートしてきました「小さな平屋のリノベーション」、完成写真をUPしましたので、最後のまとめと合わせてご覧ください。
DKと和室の仕切りを外し、床は無垢の杉板を張りました。
南の和室から、リビングダイニングを見る。
リビングはもともと和室でした。勾配天井はその名残。白く塗装しました。
南側は畑が広がる、開放的なロケーション。
キッチンは既存のもの。吊戸棚は扉を外して、白く塗装しました。
北側の和室は洋室に変更しました。
押入れからクローゼットに変更しました。
トイレの引き戸はムーミングレーに塗装。
玄関から室内を見る。
ちょっとくつろげる場所。
昔、使われていたドアホン。壊れていたけれど、デザインがかわいいので残しました。
玄関に新たに取り付けた金具。
以前から付いていた金具(帽子掛け)。
外壁は入居者さんと一緒に白く塗装しました。
photos by タルト不動産
「小さな平屋のリノベーション」
総社市、築50年、56㎡(17坪)、長く倉庫として利用されていた小さな平屋。
仕切りが多く、光の入りにくい、昔ながらの家。傷みもあって、人に貸すためには、費用がそれなりに掛かる状態。
よくある原状回復をしただけでは、築の浅いマンションやアパートにはとても勝てません。家賃を下げれば入ってもらえるだろうけれど、掛けた費用の回収に何年掛かるのか…。
そこで、できるだけ費用を抑えながら、ここにしかないものをつくろうと考えました。
現状を見ると、実はとてもキャラクターのある物件。
駅徒歩3分という立地ながら、目の前は畑が広がる開放的なロケーション、裏には畑があって、倉庫もありました。
そして小さいけれど平屋でした。
まずは、いるもの、いらないものを精査して、使えるものは積極的に残すことにしました。
それから仕切りをどんどん外して、ワンルームに近い状態にしていくことで、広くて明るい空間をつくっていきました。
入居者さんがライフスタイルにあわせて個室をつくれるよう、仕切りは簡単にカーテンを考えました。(結果、入居された方には必要ありませんでした。)
南に面したところは、陽当たりが良いし、目の前が畑だから視線はあまり気にならないはず。きっと気持ちの良い場所になるから、床に座ってくつろげるようにしたくて、無垢の杉板を張りました。
あとは丁寧に塗装をすることで、要素を整理していきました。
結局、大したことはしていなくて、この家の良さをちょっと分かりやすくしたくらいです。
つくり込まないことで、入居者さんに余地というか、可能性を感じてもらえたらなと思っていました。
そうこうしていると、本当にありがたいことに、工事途中に内見してくださった若いご夫婦が入居を決めてくださいました。完成前だったので、入居者さんも一緒に外壁塗装をしたり、棚をつくったりすることができました。
もしかすると、入居を決めるタイミングを早くすることができれば、賃貸にも色んな可能性があるのかもしれません。
最後にもう一つ。
入居者さんは、引越しをされて、すでに生活が始まっていますが、僕によくメールが届きます。
先日は、「駐車スペースに枕木を敷いてもいいですか?」と。
オーナーさんに確認をして、もちろんOK。
小さな平屋は、入居者さんの手で、どんどんアップデートされています。
もしかすると賃貸でも、住み方によっては、価値を下げない方法があるのかもしれません。
色々なことに気付かせてくれたプロジェクトでした。
今後も、小さな平屋の様子をレポートできればと思っています。
みやけ
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■所在地:岡山県総社市
■構造:軽量鉄骨造
■面積:56.75㎡(17.17坪)
■デザイン:タルト不動産、studio juna
■床施工、内部塗装:タルト不動産、studio juna
■外壁塗装、棚製作:入居者さん、タルト不動産、studio juna
■不動産仲介:タルト不動産