Y字路と電柱についてのまとめ
7月の初めくらいからstudio junaを巻き込んで往復書簡的にやっていた企画なんですが、ここでまとめておきます。
①7/10 電柱のこと①
②7/24 電柱のこと②
③7/27 続・Y字路と電柱についての考察
④7/29 続・続・Y字路と電柱についての考察
詳細は面倒ですが、①から順番に読んでみてください。
そもそもなぜ僕が電柱に引っかかったかというと、眺めの良い景色を遮ってしまうから。
Y字路の先端に立っているモノ、景色としてみるとシンボリックだけれど、敷地の中から見ると電柱は邪魔でしかなかったんです。
こっちからみるとシンボリック
こっちから見ると景色を遮る邪魔な電柱
だから僕はどうやって、その電柱を隠しながら、景色のいい部屋をつくろうかと考えていました。(別にクライアントはいないので勝手に。)
モヤモヤしてた時に、ふと思ったのは2つ。
①こんなことみんなは気にしないんだろうか。
②建築家やデザイナーはどう考えるんだろうか。
そこでまずはモヤモヤしたコラムをそのまま投稿してみました。
ある方からは「そう言われたら気になるけど、言われなかったら気にしない。景色とか考えたことない。」という反応があって、リアルな気がしました。
岡山に住んでいると、田んぼも山も当たり前にあるから、わざわざ部屋から見ようとは思わないのかも。
また外を見るということは、同時に外から見られる可能性もあります。見たいよりも見られたくないが強い方もいるのでしょう。
僕は単純にくつろぐ場所だったりごはんを食べる場所から、緑が見えたり、眺めが良かったら気持ちいいなと思うんです。外から見られなくすることは何とかできますし、自分が思っているほど見られてなかったりもします。
もしかしたら僕が岡山を離れていた期間が長かったから、景色のことを考えるようになったのかもしれません。
次に、建築や家具のデザインをやっているstudio junaの重名くんに話を振ってみることにしました。
重名くんはけっこうおもしろがってくれて、最後はプランまで考えてくれました。
彼の考えがおもしろかったのは、Y字路に建つ電柱のシンボリックなところを、よりシンボリックに敷地全体を使ってデザインしていったところ。
電柱が家を分ける径の前に立つことで、存在感を持ちながら、外部からの視線や気配を遮りやんわりとですが安心感をもたらします。
そこで生まれた径によってできるあいまいさがまたおもしろい。外なのか中なのか、住居なのか店舗なのか、色々な可能性を感じます。
このプランは電柱なしでは考えられないんです。僕が邪魔だと思っていた電柱が、今では愛すべきマイ電柱になりました。
今回、僕が何となく引っかかっていた小さな問題ですが、重名くんのお陰で、すごく広がりがあった気がします。
コメントやメッセージをくださったり、一緒に考えてくれる方もいました。
みなさん本当にありがとうございます。
一人だとモヤモヤしてたけれど、誰かと話してみると、意外なことに気付くことができます。
1つのアイデア、デザインで、モノの見方、考え方が変わることもあると思うんです。
何より、重名くんとワイワイ話したり、考えたりする時間はすごく楽しかった。
なかなか横のつながりの少ない業界だけど、一緒に何かするっていいなと思いました。
また読んでくださった方が、少しでもライフスタイルを考えるヒントにしてもらえると嬉しいです。
こんなことを、ちょっとずつでも続けていきたいと思います。
みやけ