これからの住まいについて その2

現在、岡山都市研究楽団で扱っているテーマは「住宅におけるLDK」についてです。

メンバーのstudio junaから、「その2」が届きました。

重名くんも、概ね僕と考えは一緒のようです。

ぜひ読んでみてください。

みやけ

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前回はnLDKとは何ぞやということについて書いたのですが
今回は、話を戻して、「LDKほとんど1階問題」について書いてみたいと思います。

うちのポストには週2回くらいのペースで、不動産関係のチラシが入っているので
最近の建売住宅とやらはどんなものかしらと思ってときどき見てみるのですが
だいたい同じような平面構成になっています。
1階に玄関、LDKと水回り、2階に子供部屋、寝室、ウォークインクローゼットという構成です。
(以下、ザ建売plan と呼ぶことにします。disってない。)

あまり詳しくは知りませんが、ハウスメーカーの住宅も、ザ建売plan的な構成なのではないでしょうか。
(築20年の僕の実家は某ハウスメーカーのもので、ザ建売planです)
つくっている時点では誰が入居するか分からない建売住宅と
特定の家族のためにつくっているハウスメーカーのplanがほとんど同じなのは不思議ですね・・・。(話がそれました・・・。)

僕は平屋の住宅が好きなので、1階にLDKがあることに反対はしません。
1階にLDKがあれば、庭で食事をしたり、庭で遊ぶ子供を横目で見ながらリビングで本を読んだりできます。
重い買い物袋を持って階段を上がらなくてすむし、ゴミ出しも勝手口からささっとできます。
メリットはたくさんあります。デメリットは特にないかもしれません。
ただし、それは庭や隣地や道路などの外部空間との関係をしっかりと配慮した場合の話で、
庭に向かってとりあえず大きな窓をあけただけの場合の話をしているのではありません。(また話がそれました・・・。)

岡山のような地域で、2階にLDKを持ってくる場合として考えられるのは
家の前がすぐ道路だとか、日当たりが悪いとかいうネガティブな理由と
2階からの景色が大変良いとかいうポジティブな理由が考えられます。
そうでもなければLDKは1階でいいじゃないという話なんですが
そうでないからこそ(普通の敷地であるからこそ)2階にLDKを持ってきた場合
どういう暮らしがあるかしら、ということを次回あたりで考えてみようかと思います。

また、タイトルにもあるように「これからの住まい」として僕が考えていることも
ちょっとミックスしつつ考えてみる予定です。

text by studio juna

これからの住まいについて その1

9/20に岡山都市研究楽団で扱うテーマ「住宅におけるLDK」について僕が書きまして、

今度はメンバーのstudio junaから1発目のアンサーがきました。

僕の問題提起の前に、重名くんは「LDKとは」に引っかかったみたいで、その歴史を掘り下げてくれてます。

そんなに難しい話ではないので、ぜひ読んでみてください。

みやけ

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今回、岡山都市研究楽団で扱うテーマは、「住宅におけるLDK」についてです。
タルト不動産からこのような問題提起がありました。

不動産やハウスメーカーの広告やサイトを見てみると
面積とは別に、2LDKとか4LDKなどのnLDKの表記がされていて、数字の部分のnが大きい方が
広い家だという認識があるかと思います。
住まいを考えるとき、「nLDKの家が欲しい」と考えることが一般的だと思いますが
僕自身は住まいをデザインするときは、「nLDKの家を考えよう」とは思いません。
nLDKの空間にその人の生活を閉じ込めるのではなく
その人の生活からその人らしい空間を考えたいと思っているからです。
(結果としてnLDKと捉えることはできますが)

LDKが一階か二階かという前に
「nLDK」という一般的な考え方が
僕にとってはちっとも一般的ではないので
そもそもnLDKとは何ぞやということをちょっと調べてみようと思います。
長いので読まなくてもいいですけど、知っておいて損はないかと。
(だいぶ省略して書くので、抜けているところや解釈のずれがあると思いますが
気になることがあればご自分でディグってください。)

もともと、日本の民家というのは畳の部屋が襖や障子で仕切られていて
ちゃぶ台を置けば食事室になるし、布団を敷けば寝室になる、
建具をあければ隣の部屋とつながって大きな部屋になる、
フレキシブルな空間の使い方が特徴だと思われていました。
しかし、実際は寝る部屋と食事の部屋を分けて使用しているという実態を住み方調査から明らかにした
西山卯三という人が「食寝分離」という考え方を提唱しました。まだ戦時中のことです。

食事の場と寝る場所の分離は、小住宅における基本的な要求であると主張した西山卯三の食寝分離論は
戦後の住宅計画に大きな影響を与えました。
戦後の住宅不足を解消するために、大規模な公営住宅の建設が各地で行われましたが
1951年、「51C」と呼ばれるひとつの平面計画が生まれました。原案を設計したのは東京大学吉武研究室です。

51c
「51C」とは、今見るといわゆる2DKの平面計画なのですが
このDK、つまり、食事のできる台所の誕生が画期的でした。
35㎡という限られた空間の中でそれが計画されたというのも重要です。
「51C」の設計理念は、1955年に設立された日本住宅公団にも引き継がれ、日本の公共住宅の原型となりました。

「51C」では、食事のできる台所とその隣の部屋とは襖でゆるく仕切られていたのですが
戦後の復興により、生活が豊かになると、ソファやピアノ、ステレオなどの家具が増え
今で言うリビングのような空間が自然発生的に生まれました。LDKの誕生です。
ここまでは設計者の想定の範囲内だったようです。

高度経済成長期になると、公共だけでなく、民間も住宅供給に参入してきました。
民間の建売住宅や分譲マンションは、部屋数が多い方が売れる傾向にあったようで
「51C」のプランに個室を安易に付け足しただけのnLDKの住宅が大量につくられるようになりました。
それが現在まで、生活様式や家族のかたちが変化し続けているにも関わらず、
多数派であるハウスメーカーやデベロッパーによってnLDKの住宅が作り続けられてきたことによって
nLDKの考え方が一般的になってしまったというわけです。
建築の歴史の中でも、「51C」はnLDKの原型だと言われることも多いですが、これは間違った認識だったようです。
戦後の焼野原を見ながら、35㎡という限られた空間の中でいかに快適な住空間をつくるかという問題に対して考えられたものと
好景気の日本において売れるからという理由で「51C」に安易に個室を足して考えられたものとを同じだとは僕は思いません。
当時、吉武研究室の大学院生で「51C」の設計に関わった故 鈴木成文氏も
『3室、50㎡になったなら、それに対応した生活の組立てを考えるべき』と述べていました。

と、いうことで、タルト不動産の問題提起を完全に無視して
いわゆるnLDKとはどうやってこの国で生まれてきたのかを
僕自身が勉強したところで、今回は終わりにします。
次回からは話を戻して、これからの住まいにおけるLDKについて考えていこうかと思います。

(参考:「51C」家族を容れるハコの戦後と現在 平凡社)

written by  studio juna

ほとんどLDKは1階にある。

今回、岡山都市研究楽団(タルト不動産とstudio junaのユニット)は、岡山の住宅におけるLDKについて考えたいと思います。

LDKと一括りにしまうこと自体どうなんだということもありますが、ここでその議論は置いといて、生活の中心となる場所を、分かりやすくLDKとします。

 

どういう話かというと、僕は東京から岡山にUターンしてきたのですが、岡山の住宅を見ていて一番不思議だったのは、1階にLDKがある家がほとんどだということ。

僕は東京にいたとき、都内で狭小住宅をよく担当していました。小さなものでは土地の面積が約10坪、建坪5坪という家もありました。

岡山にいると分かりにくい価値観かもしれないのですが、都心部の一等地、魅力的な街、アクセスの良い場所に小さな土地を安く買って、限られたスぺ-スを工夫しながら、おもしろい家を建てたいという需要はかなりありました。

また、厳しい制約を受ける中で住宅のデザインをするということは、暮らしの中で本当に必要なものは何か、真剣に考えることになるので、とてもいい経験になりました。

ちなみに都内の狭小住宅は主に3階建て。

電車で移動する人が多いので車を持たない方もいらっしゃいますが、3階建ての住宅の1階は、日当たりも良くないので、ビルトインの駐車スペースや、ベッドルームがきて、2階や中には3階にLDKを配置する場合もあります。

上階にLDKを配置する理由は主に以下の感じ。

・陽当たりが良い。

・眺めが良い。

・通行人の視線を気にしないでいい。

東京という特殊な環境ではあるし、仕方なく2階にLDKを置いている人もいると思いますが、1階より、2階と考えるのは自然でした。

 

岡山に帰ってきて、戸建の住宅を見ていると、LDKはほとんど1階にありました。

タルト不動産に掲載している戸建住宅は今、40件あります。

その中で、2階にLDKがある家は1件だけ。

それも狭小地に建つ住宅で、1階に事務所とガレージがあるから、2階にLDKがあるんです。

●小さな事務所と大きな住居 120,000円/月・5SLDK(262.69㎡)岡山県岡山市北区白石

P1100942
 

土地に余裕があると、1階にLDKと考えるのが普通なんだと思います。

では、なぜ1階にLDKがあるといいのか、何人かの人にヒアリングしてみました。

・上り下りしないで楽だから。(老後のことも考えて)

・子供がリビングを通って、個室に行けるから。

 

大体予想していた反応なのですが、みなさんおっしゃるのは、1階にLDKがあるのは当たり前で、2階なんて考えたことがないというのです。

あるハウスメーカーの方にも、なぜ2階LDKの家ってないんですかと聞いてみました。

すると、「お客さんから要望がないから特に提案していない。」とのこと。

 

僕が違和感を感じるのはココなんです。

 

1階にLDKがあるというのが当たり前になっていて、他の可能性を知らない、考えていないのではないかと。

僕は決して、1階LDKを否定しているのではありません。その方が良い時もたくさんあります。でも、2階LDKが良い時もあると思います。

例えば岡山の住宅もコンパクトになっているし、お庭のある家も減っています。LDKの目の前が道路ということもあります。これではカーテン閉めっぱなしの閉鎖的なLDKになってしまう気がします。(それが良いという方は別)

 

東京にいたからじゃないかと言われるかもしれないけれど、そうでもなくて。

倉敷にある僕の実家は2階にLDKがあります。

2世帯住宅だったから、1階に祖父母、2階に両親と私と弟が暮らしていました。

周りが田んぼだから、風通しが良くて、日当たりが良くて、カーテンはほとんど開けっ放しで、気持ちの良い場所でした。

今、住んでいる総社の家は1階にお店があって、2階にLDKがある狭小住宅ですが、とても気に入っています。

僕はいつからか高い場所でくつろぎたいと思っているところがあります。

 

長くなったのですが、言いたかったのは、あまりにも1階LDKが当たり前になりすぎているんじゃないかということ。

2階LDKを考えることが、より自分たちのライフスタイルを考えることにつながって、納得いく家をつくるきっかけになるのではないかと思うんです。

例えば2階LDKには、子供がLDKを通らずに個室に行ってしまうというデメリットがあるとしたら、そもそも子供が自然と集まりたくなるような居心地の良いLDKが2階にあって、ちょっと陽当たりが悪いくらいの個室を1階につくったらどうなんだろうとか。。

どんな住まいにしたいか、どんな暮らしをしたいか考えると、住宅のデザインも変わってきます。

今回はこんなことを、岡山都市研究楽団メンバー、studio junaの重名くんと考えてみたいと思います。

ぜひ、みなさんの色んな意見を聞かせてください。

みやけ

岡山都市研究楽団を結成しました。

この度、タルト不動産と、stujio juna、「岡山都市研究楽団」というユニットを結成しました。

rogo2
 

コラムやフェイスブックを読んでくださっている方は、なんかやってるなあくらいにはご存知かと思うのですが、最近、僕と重名くんで街のことを勝手に色々考えて、二人でワイワイ楽しんでいました。

●Y字路と電柱についてのまとめ

これってみんなはどう思うのかなあってところから始まったんですが、読んだ方からは「おもしろい」とか「考えたこともなかった」っていう反応をいただけて、嬉しかったし、とても参考になりました。

こんな感じで続けていけたら、なんかいいなあって思ったんです。

岡山に住んで、岡山をもっとおもしろがって、もっと楽しめるようなことを考えていきたいと思います。

みなさんの感想やご意見などお待ちしていますので!

みやけ

 

経緯は重名くんのテキストも読んでみてください。

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前回まで数回に分けて「電柱のあるY字路における暮らしの可能性について」考察してきました。
読んでくれた人がどれだけ楽しんでいただけたか分かりませんが、
やってる僕とタルト不動産の三宅さんは結構おもしろかったわけです。

一見するとネガティブな要素を含んだ土地でも
デザインの方法次第ではおもしろそうな空間に変えることができるわけです。
そういう意味で僕はデザインの力を信じているし、そこにこそデザインという行為の価値があると思っています。

これまで僕はデザイン893というプロジェクトで、岡山の街に対して勝手に提案していました。
都市空間にデザインでアプローチしていく一種の実験だと考え、
次のような3つの自分ルールのもとで不定期に発表していました。
・街を歩いていて、気になった場所があれば写真にとる。
・何かアイデアが浮かぶまでは作業をしない。
・画像をつくる作業は2~3時間でパパッとやる。

知り合いからの評判はまずまずだったし、
フェイスブックで知らない人からの「いいね」もたくさんいただいたので、
これはこれでよかったなと思いつつも、ちょっと物足りなさを感じていました。
そんなときに「もうちょっと踏み込んだ提案が見たい」と言ってくれた人がいて、
やっぱりそうよねと僕も思ったのでした。
ただ、僕一人でこのテンションをキープするのはなかなか難しい。
どんな方向で進めていこうかしらと思っていた時にタルト不動産の三宅さんと出会いました。
今年の春に東京からUターンしてきた三宅さんとは年も近く、聴いている音楽もかぶっていたし、
共通の問題意識を持っていて、すぐに仲良くなりました。

今回、不動産屋さんである三宅さんの出したお題に対して
デザイナーの僕が答えるという方法をやってみたのですが、
一般の人に不動産やデザインをもっと身近に感じてもらうための
なかなか可能性のあるやり方だなと思いました。

と、いうことで、不動産やデザインのおもしろさを伝えていくために
タルト不動産と共同で、今後もこんな感じの活動を不定期に続けていこうと思っています。
そのためにstudio junaタルト不動産は「岡山都市研究楽団」というユニットを結成しました。
今後の活動にご注目ください。

おもしろい敷地を探している人や、その敷地にぴったりの特別なアイデアをご希望の方は
お気軽にお問い合わせください。

written by  studio juna