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これからの住まいについて その4

現在、岡山都市研究楽団で扱っている研究テーマは住宅におけるLDKについてです。

ここまでの話の流れはこちらを上から順番にご覧ください。

ほとんどLDKは1階にある① text by  タルト不動産

これからの住まいについて その1 text by studio juna

これからの住まいについて その2 text by studio juna

ほとんどLDKは1階にある② text by  タルト不動産

これからの住まいについて その3 text by studio juna

 

今回はstudio junaによる「これからの住まいについて その4」です。

重名くんが、色んな可能性を考えながらプランをつくってくれました。

2階にリビングのある生活、ライフスタイルの変化をイメージしながら読んでみてください。

みやけ

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続きです。

1 基礎の面積をなるべく小さくする。
2 配管経路を短くする。
3 シンプルな形状とする。
4 間くずれさせない。
5 コートハウスにしたり、不自然な高い塀で覆わない。
6 子供部屋は最小限の広さでリビングに隣接。
7 1階の部屋は寝室を想定しているが、他の用途にも使えるようにしておく。
8 間仕切りや建具は最小限にしておく。
9 自然環境を意識する。

と、いう前回提示した9つの自分ルールのもと、実際に売りに出ている土地
2階にリビングのある25坪のローコストな住まいを計画してみました。
(今回はNo.20の土地を想定)
敷地は北側に道路があり、南側は2つの隣地と接しています。
そこに建つ2軒の住宅は、日当たりをよくするために精一杯北側に
つまり、No.20の土地との敷地境界線側に配置されています。
西側には切妻屋根の2階建て、東側には細い道を挟んで住宅が建っています。

いろいろつっこみどころはあるかと思いますが、
今回考えたのはこんな感じのプランです。

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平面図だけでは分かりにくいのですが(2階吹き抜けのあたりが何やら不思議)
少し変わった断面をしていて、2階LDK南側の窓が2段になっています。
上の窓は庇で夏の日差しを遮り、冬の日差しを取り入れつつ、
高い位置から部屋全体に明るさを届けます。
下の窓からは地面にバウンドした柔らかい光が入ってきます。
屋根がかかっているので、雨の日でも窓をあけることができます。
この屋根は南側の住宅からLDKへの視線を遮る役目もしています。
壁や塀でガードするよりもずいぶん穏やかな印象です。
どちらの窓も、カーテン全開でも特に問題ないと思うので、
上の窓からは空が見えるし、下の窓は屋根裏にいるような不思議な空間体験を演出します。
LDKの南側にバルコニーがある案も考えたのですが、
この敷地だと南側にすぐ他の住宅があるし、
高い壁で囲ったようなテラスはあまり気持ちよくないかなと思って、今回はなしにしました。
(気持ちの良い2階の外部スペースは宿題のひとつとして今後の検討事項へ)

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「可能性を残しておくこと」と、前回書きましたが、
この住まいは住む人に合わせてどんどん変えていけばよいと僕は思っています。
例えば、若い夫婦が住むと、こんな感じでしょうか。

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1階のroom1はカーテンでゆるく仕切って大きな収納スペースにしています。
2階のroom2はリビングの延長で、パソコンをしたり本を読んだりするスペースです。

子供が生まれたらこんな感じでしょうか。

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1階のroom1は家族みんなの寝室です。
2階のroom2は子供スペースで、扉をつけてLDKと仕切ることもできます。
大きな引戸なので、開けたときはLDKと一体の大きな部屋になります。

子供が2人になって、成長したらこんな感じでしょうか。

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2階のroom2をふたつに仕切って、小さな子供部屋をつくります。
わざと小さくしているのですが、今回は説明を割愛。
1階のroom1を仕切って、小さな書斎をつくりました。
家族共用の図書室のように使うのも良いかもしれません。

子供が独立して、夫婦ふたりになったときはこんな感じでしょうか。

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寝室をroom2に移動して、room1は間仕切り壁を撤去して
ワークショップや小さな店舗として使えるようにしました。
住まいの中に街の要素が入ってきます。
自分の趣味や特技を活かして、小さな商いができるようなスペースは
他に借りるとなったらなかなか実現できませんが、
住まいの中にそういう空間があれば、もっと気軽にできるのではないかと思います。

僕が考える「これからの住まい」のひとつの例が以上のような感じです。
子供部屋の在り方を見ていただければわかるように、この住まいは家族同士のコミュニケーションをとる必要があります。
子供が勉強していたらテレビを消して本を読もうとか、
弟はリビングでテレビを見ているから1階の図書室で勉強しようかとか、
そういう気づかいが必要なので、扉が閉まっていたらいるのかいないのかすら分からないようなザ建売plan(その2参照)とは少し違います。

平面的にも断面的にもザ建売planとは異なるので、
イメージしずらい部分もあるかと思いますが、
ひとつの例として、こういう考えもあった方が選択の幅が広がるんじゃないかと思い、提案させてもらいました。

text by studio juna